2009年03月22日 10:02
記念すべき第一回はブログタイトル通りの高円寺。
高円寺という町はB級の集合体なのです。古着とロックと大衆酒場に阿波踊り・・・
若者と年配者、サブカルと伝統という通常混在しない要素がが程よく相俟って、高円寺にしか有り得ることのないユルさとカルチャーを作り上げているのです。「人をダメにする町」と揶揄されるほど、自由な空気に満ち溢れている居心地の良い町なのだ。
高円寺という濃い街ををテーマにした時点で、何をピックアップしてもB級になり得そうであるけども、今回は高円人ご用達の定食屋にスポットを当てて紹介する次第。

「団らん」である
見ての通り取り替える気すら皆無なくたびれたノレンと、1/3以上無くなっている赤提灯。すでに外観だけで多くの通行人がスルーするであろう、商売として大幅に損をしている佇まいでありますが、そういった部分に高得点のB級感が漂います。新しいの買えば?なんて言うのは野暮ってものでしょう。どうぞスタバに行ってください。
そして、この看板です

「一歩先を行くあなたに 一歩先を行くお食事を」
勝手に人様を「一歩先行く人」と認定していますが、確かに「普通の人」は一人で飛び込みにくい外観ですので、一歩先なのか一歩遅れているのかは僕のような凡人には分かりませんけども、とりあえず一般的な人ではお食事しにくい何かがこの店にはあるのは確かです。
そして「一歩先を行く人」とハードルを上げているのにも関わらず「女性の方 お気軽にどうぞ」、という選民しているように見えながら物凄くウェルカム。書いた店主も「女は無理だろう・・・でも、もしかして・・・」の、あわよくば的な希望が垣間見えるあたり、そういった素直さ、僕は大好きですよ団らんさん!!
ともかく、見た目のオシャレさばかりを狙った最近の飲食店とは違い、媚びず、群れずの、高円寺定食屋の正しい姿を団らんは体現しているのです。
メニュー

焼き肉定食
カツ丼
カレー
という定番メニューの中
「パプル定食」
絶望的に意味不明なメニューのパプル定食、という何だか日本人には少々毒々しい響きの定食がエントリーしていまして、さらにオムレツ定食がオレレツ定食、玉子丼が玉丼になっている卑猥さにも注目したい案件です。
そんな魅惑の団らんメニュー陣に、僕のテンションも上がりまして、意気揚々とノレンをくぐり店内へ入ったのでした。
団らんといえば昼からすでに酔っ払ってる常連が必ず店の右の方に2.3人座っているというのが定番でありますが、この日は珍しく常連が一人、そして男性客が一人の計二名がいたのでした。
僕は一番左の端の席に腰を掛ける。常連が右のほうにいっぱい来るからです。
マスター「こんな汚い店に良く来るね?」
いきなり凄い自虐的発言をカマすマスター。本当だから困る。
少しマスターと話をしたあと、僕はずっと気になっていた質問を投げかけました。「パプルって何ですか?」
マスター「不味いよ!一度食べたら二度と食べない。オエー」
僕の質問にメニューの内容は教えてくれず、ただ不味いということと、二度と食べたくいない料理ということを伝えてくれるマスター。
「・・・・・生姜焼き定食で」
逃げた。僕は逃げました。なんせ、つくっている本人が渾身の表情でオエーですからね・・・
生姜焼き定食

写真ではわかりにくいですが、ご飯の量がもの凄い。これが団らんの特徴。いや団らん特有ではなく、高円寺の定食屋全体に言えることです。
大量のご飯を無我夢中で咀嚼している僕の横で、食事を終えた男性客が勘定を払おうと、財布から1万円札を出したのでした。
「こんな汚い店で一万円だすなよ~金ないよ~」
「スミマセン。手持ちなくて・・・」
どうやらマスター、お釣りが無いらしいのです。おつりを用意していないあたりがそもそも凄いのですが、マスターの本当に凄いところは「どっかで買い物して崩してからまた来てよ」という発言を客に遠慮もなくカマすところではないでしょうか。
マスターの自由すぎる経営スタイルに僕が唖然としていると、黙ってサワーを飲んでいる常連の酔っ払っいオッサンが
「こんなこともあろうかと、今日は銀行で両替してきました」と、突然五千円を二枚だし男性と交換したのです。
「こんなこともあろうこと」だって??そんな予想できんのかよこいつは?エスパー?
あまりのドヤ顔には僕もビックリしましたが、客と店が協力しあうこのシステム・・・まさに「団らん」・・・・・
その後「五千円札の小回りの良さ、紙幣の中でのバツグンの便利さ」を延々とキメ顔で語る常連と、二千円札を五千円札と勘違いして500円の定食のおつりに4500円をあげまくっていたというマスターの怒りの失敗談を聞きながら僕は完食したのでした。
そろそろ店を出ようかとしたとき、気の弱そうな男性がが入店してきたのです。
大学生くらいでしょうか?体も華奢で、こんな大盛の定食を食べられるのだろうかと余計な心配をしている僕の横で、カッと目を見開き
「パプル!!」と一言。
アンタ!!そんな無茶な!!! コイツ・・・・勇敢さを履き違えてやがる!!
さっさと店を出たいものの、料理の内容すら教えてく貰えなかった僕は、どうしても実物のパプルが見たくてしょうがないのです。
だから僕は食べ終わってからずっと時間稼ぎのため、水をひたすら飲むのでした。
マスター急いでくれ!! 常連と派遣村について喋ってないで、早くパプルを作ってくれ!!
そして僕の腹が水でガブガブになったときに、魔性のパプルが完成したのでした。
焼いた肉を刺身のように醤油をつけて食べるというだけの、絶望的に何がパプルかわからない料理でした。
オエーに躊躇し注文できなかった自分にB級マスターまでの遠い道のりを感じたフェロであった
団らん
B級度 ★★★★
お手軽度 ★★★★
デートに使える度 ★
マスターのB級度 ★★★★★
最高のマスターです
500円で超満腹 さすが高円寺!!
高円寺という町はB級の集合体なのです。古着とロックと大衆酒場に阿波踊り・・・
若者と年配者、サブカルと伝統という通常混在しない要素がが程よく相俟って、高円寺にしか有り得ることのないユルさとカルチャーを作り上げているのです。「人をダメにする町」と揶揄されるほど、自由な空気に満ち溢れている居心地の良い町なのだ。
高円寺という濃い街ををテーマにした時点で、何をピックアップしてもB級になり得そうであるけども、今回は高円人ご用達の定食屋にスポットを当てて紹介する次第。

「団らん」である
見ての通り取り替える気すら皆無なくたびれたノレンと、1/3以上無くなっている赤提灯。すでに外観だけで多くの通行人がスルーするであろう、商売として大幅に損をしている佇まいでありますが、そういった部分に高得点のB級感が漂います。新しいの買えば?なんて言うのは野暮ってものでしょう。どうぞスタバに行ってください。
そして、この看板です

「一歩先を行くあなたに 一歩先を行くお食事を」
勝手に人様を「一歩先行く人」と認定していますが、確かに「普通の人」は一人で飛び込みにくい外観ですので、一歩先なのか一歩遅れているのかは僕のような凡人には分かりませんけども、とりあえず一般的な人ではお食事しにくい何かがこの店にはあるのは確かです。
そして「一歩先を行く人」とハードルを上げているのにも関わらず「女性の方 お気軽にどうぞ」、という選民しているように見えながら物凄くウェルカム。書いた店主も「女は無理だろう・・・でも、もしかして・・・」の、あわよくば的な希望が垣間見えるあたり、そういった素直さ、僕は大好きですよ団らんさん!!
ともかく、見た目のオシャレさばかりを狙った最近の飲食店とは違い、媚びず、群れずの、高円寺定食屋の正しい姿を団らんは体現しているのです。
メニュー

焼き肉定食
カツ丼
カレー
という定番メニューの中
「パプル定食」
絶望的に意味不明なメニューのパプル定食、という何だか日本人には少々毒々しい響きの定食がエントリーしていまして、さらにオムレツ定食がオレレツ定食、玉子丼が玉丼になっている卑猥さにも注目したい案件です。
そんな魅惑の団らんメニュー陣に、僕のテンションも上がりまして、意気揚々とノレンをくぐり店内へ入ったのでした。
団らんといえば昼からすでに酔っ払ってる常連が必ず店の右の方に2.3人座っているというのが定番でありますが、この日は珍しく常連が一人、そして男性客が一人の計二名がいたのでした。
僕は一番左の端の席に腰を掛ける。常連が右のほうにいっぱい来るからです。
マスター「こんな汚い店に良く来るね?」
いきなり凄い自虐的発言をカマすマスター。本当だから困る。
少しマスターと話をしたあと、僕はずっと気になっていた質問を投げかけました。「パプルって何ですか?」
マスター「不味いよ!一度食べたら二度と食べない。オエー」
僕の質問にメニューの内容は教えてくれず、ただ不味いということと、二度と食べたくいない料理ということを伝えてくれるマスター。
「・・・・・生姜焼き定食で」
逃げた。僕は逃げました。なんせ、つくっている本人が渾身の表情でオエーですからね・・・
生姜焼き定食

写真ではわかりにくいですが、ご飯の量がもの凄い。これが団らんの特徴。いや団らん特有ではなく、高円寺の定食屋全体に言えることです。
大量のご飯を無我夢中で咀嚼している僕の横で、食事を終えた男性客が勘定を払おうと、財布から1万円札を出したのでした。
「こんな汚い店で一万円だすなよ~金ないよ~」
「スミマセン。手持ちなくて・・・」
どうやらマスター、お釣りが無いらしいのです。おつりを用意していないあたりがそもそも凄いのですが、マスターの本当に凄いところは「どっかで買い物して崩してからまた来てよ」という発言を客に遠慮もなくカマすところではないでしょうか。
マスターの自由すぎる経営スタイルに僕が唖然としていると、黙ってサワーを飲んでいる常連の酔っ払っいオッサンが
「こんなこともあろうかと、今日は銀行で両替してきました」と、突然五千円を二枚だし男性と交換したのです。
「こんなこともあろうこと」だって??そんな予想できんのかよこいつは?エスパー?
あまりのドヤ顔には僕もビックリしましたが、客と店が協力しあうこのシステム・・・まさに「団らん」・・・・・
その後「五千円札の小回りの良さ、紙幣の中でのバツグンの便利さ」を延々とキメ顔で語る常連と、二千円札を五千円札と勘違いして500円の定食のおつりに4500円をあげまくっていたというマスターの怒りの失敗談を聞きながら僕は完食したのでした。
そろそろ店を出ようかとしたとき、気の弱そうな男性がが入店してきたのです。
大学生くらいでしょうか?体も華奢で、こんな大盛の定食を食べられるのだろうかと余計な心配をしている僕の横で、カッと目を見開き
「パプル!!」と一言。
アンタ!!そんな無茶な!!! コイツ・・・・勇敢さを履き違えてやがる!!
さっさと店を出たいものの、料理の内容すら教えてく貰えなかった僕は、どうしても実物のパプルが見たくてしょうがないのです。
だから僕は食べ終わってからずっと時間稼ぎのため、水をひたすら飲むのでした。
マスター急いでくれ!! 常連と派遣村について喋ってないで、早くパプルを作ってくれ!!
そして僕の腹が水でガブガブになったときに、魔性のパプルが完成したのでした。
焼いた肉を刺身のように醤油をつけて食べるというだけの、絶望的に何がパプルかわからない料理でした。
オエーに躊躇し注文できなかった自分にB級マスターまでの遠い道のりを感じたフェロであった
団らん
B級度 ★★★★
お手軽度 ★★★★
デートに使える度 ★
マスターのB級度 ★★★★★
最高のマスターです
500円で超満腹 さすが高円寺!!
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コメント
ポン太 | URL | -
はじめまして、ポン太と申します。
すごく楽しく読ませていただきました。
突っ込み所満載のカオスな店ですね。
B級…大好きな言葉です、
また来ます!
( 2009年03月30日 02:25 [編集] )
フェロモン高円寺 | URL | -
ポン太さん
ありがとうございます
B級なブログですが宜しくお願いします
( 2009年03月30日 21:48 [編集] )
tetu | URL | mQop/nM.
Re: 高円寺 団らん
飲み屋だと思ってスルーしてたんだけど
ここはすごい。きたな美味い店にエントリーして欲しい。
( 2010年05月30日 19:19 [編集] )
フェロモン | URL | -
昼から常連客が謎サワーを飲んでいるので、居酒屋としての利用もアリです。
是非一度お気軽にパプル定食を
( 2010年05月30日 21:59 [編集] )
ポン太 | URL | -
Re: 高円寺 団らん
僕がこの記事にコメントしてからもう一年と5ヶ月以上経ったんですね。
今日、やっとこさ僕も団らんに行ってきました。
まさにこの記事の通り常連さんが二人いました。
ご飯の量は鬼でしたね。
ていうかあの醤油は肉につける為の物だったんですね…。
何もつけず肉を食らい、醤油は冷や奴にかけました。
う~ん、次からはそうするか。
と、思いつつも次に入る事があるか微妙です。
そうそう、忠告を忘れ右側の席に座ってしまったり、小銭を用意して行きませんでしたが、なんとかなりました。
( 2010年09月06日 22:46 [編集] )
フェロモン | URL | -
なんで次入るのか微妙なんだよ!!
と言いたいところですけども、店主自体が不味いと公言するでパプルとか・・・初団らんでマジ挑戦しすぎだろうよ。
生姜焼きとか焼肉定食とかポピュラーなものは美味しいですし、安くて量も多いですから、これぞ高円寺の飯屋!といった魅力的な店だと僕は思っています。ですから次は上級者向けなパプル以外のも挑戦してください。
> 僕がこの記事にコメントしてからもう一年と5ヶ月以上経ったんですね。
月日は早いですね。こんなクソブログに初コメントくれて、ありがてぇ!ありがてぇよ!ポンタ氏!!!
( 2010年09月07日 22:48 [編集] )
通りすがり | URL | -
Re: 高円寺 団らん
すごく懐かしいです団らん
ウーロン茶の代わりにウーロンハイを出してくれる気の利くマスターw
すごい量だけどマスターに悪くて残せないんだよね
店出るときは食べすぎで歩けないくらい
それでもまた行きたくなる店
実はカレーが美味しいのだ
そういえば駅地下のクロンボもまだやってんのかな?
( 2010年09月12日 00:06 [編集] )
フェロモン | URL | -
通りすがりさん
きっつい焼酎のウーロンハイですよね。定食も量が凄いし、本当に高円寺らしい良い定食屋だと思います。
> そういえば駅地下のクロンボもまだやってんのかな?
かなり前に無くなりました。今はラーメンストリートなんぞいう小奇麗な場所に変わってしまいましたよ!
高円寺もどんどん綺麗になってます
( 2010年09月13日 11:42 [編集] )
高円寺の住人 | URL | -
団らんは8月末に閉店しました....因みに大陸も少し前に閉店しました。秋風吹くが如く....(=;ー゜)
( 2013年09月03日 01:19 [編集] )
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